【不動産コンサル事例 vol.12】契約直前に発覚した「他人の通り道」?トラブルを未然に防ぐ交渉術

2026.07.13

お客様より実際にサンジミアーノにいただいた相談事を、どのように解決するのか?様々な事例をご紹介します。

今回のご相談内容はこちら。

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お客様

こんにちは。
私の所有する工場用地を長年借りてくださっている方が事業拡大を計画してらして、用地のすべてを買い上げてくれるそうなんです。
売買に関するお手伝いをお願いできますか?


買主様

起業してから早10年。
事業も軌道に乗ってたくさんの顧客を得ることができました。これを機に工場の拡大のために、今まで一部区画のみを借りていた工場用地のすべてを買い取って、土地をフルに使いたいんです。

もちろん、お手伝いさせていただきます!


サンジミアーノ

今回のお客様は、長年貸していた建物付きの工場用地を売りたいという売主様です。
買主様とも旧知の仲とのことで、提示した金額そのままで話し合いもスムーズに進み、契約は滞りなく結ばれる予定でした。
ところが、思わぬところに落とし穴があったのです。

契約直前に発覚した「近隣農家の通り道」。

本日は重要な報告がございます。
実は契約前の最終の現地調査で初めて確認したのですが、近隣の農家さんが敷地の一部を『ご自分の農地への通り道』として使っているようなんです。
何かお心当たりはございませんか?


サンジミアーノ

「敷地全体を自由に使える」という条件で売買契約が成り立とうとしていたところに、第三者が定期的に敷地に侵入している事実が発覚したわけですから、契約破棄になってもおかしくないトラブルとなりかねません。


お客様

それは把握していませんでした!これから売ってしまうのに、どうしよう…!
そういえば土地を親から継ぐときに、「もともとは農地だった場所だから、もしもの時はよろしくしてやってくれ」と言われたことがあったような……。

親御様の時代に、何か特別な約束があったのかもしれませんね。
一度、農家さんと話し合いをしてみましょう。


サンジミアーノ

数十年前、ここが田畑だった頃からの「慣習」。


農家の方

ここなら私のおじいさんの時代、この辺一帯が農地だったころから、何十年と通り抜けさせてもらってますよ。
ここを通らないとうちの田んぼに車両を入れられないからね。


農家の方

特別な約束とかはないけど、昔に通りたいと頼んだら「好きにしていいよ」と言ってくれたんで、うちも軽トラを入れる時だけは、この道を使わせてもらってるんだ。

どうやら、売主様が土地を継ぐ以前に、口約束から「通り道」が成り立ち、慣習化しているようです。しかし、土地が売却される以上、これまでと同様というわけにはいかなくなります。


農家の方

つまり、もうあの道が使えなくなってしまうんですか?それは困ります!

ですので、新しい持ち主の方とのトラブルを回避できるよう、事前に『通行のルール』をきちんと決めておくのはどうでしょう?


サンジミアーノ

農家のみなさんにお話を伺ったところ、「通り道」を使うのは限定的な時期・日数と条件であることがわかりました。

  1. 春(1〜2日)
    肥料の運び込み、田植え用の「苗」の運搬。
  2. 夏(1〜2日)
    草刈り機など、手で持っていくには重い機材の運搬。
  3. 秋(2〜3日)
    収穫したお米の運び出しなど。
  4. 使う車両は…
    いずれの時期も軽トラック1台のみ。

『通行するのは稲作作業の時だけ、年間7日程度』
『通る車両は軽トラック1台のみ』

この条件なら、これまでと相違ないはずです。
口約束上の「慣習」ではなく、契約上の正式な「ルール」として組み込んでもらえるよう、交渉してみましょう。


サンジミアーノ

双方が納得できる「契約」に至るには…。


買主様

なるほど。年7日程度なら、事前にわかっていることとして対処できますし、制限ができてしまったことは少し残念ですが、売買契約を破棄するほどの問題ではないと考えています。

ご理解いただき、ありがとうございます。
ただ、売主様、買主様にとっては『100%自由に使える土地』ではなくなったことも事実です。
不動産としての価値が少し下がってしまったため、元の金額のまま買主様にお譲りすることは、不公平になってしまいます。


サンジミアーノ


お客様

確かに、そうですね。どうすれば公平になるでしょうか?

売主様から買主様へ『賠償(補償)』をしましょう
難しく聞こえますが、要するに『制限がある分、売買代金を少しお値引きします』というご提案です。


サンジミアーノ


お客様

わかりました。ここで買主様との契約に禍根を残したり、心残りになることは望んでいません。
賠償に応じます。それでいかがでしょうか?


買主様

ええ。愛着を持った工場ですから、そういうことでしたら納得できます。よろしくお願いします。


お客様

それでは、賠償額やその他の条件など、引き続き一緒に考えてもらえますか?

もちろん、お手伝いさせていただきます!


サンジミアーノ

土地の売買は、売主様・買主様の間だけではなく、近隣住人とのトラブルなども想定されます。
単に書類を作るだけでなく、現場の調査、近隣との交渉、そして「双方が納得できる落としどころ(今回であれば値引きによる補償)」を提案し、「三方よし」の安心・安全な取引を実現するのが、不動産コンサルタントです。

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