この国のプリンシプル

2026.05.11

仕事や読書を通じて、さまざまな考えに触れていると「日本には明確な哲学や理念、いわゆるプリンシプルが見えにくい」といった見方を目にすることがあります。
地理的にも太平洋の東の端に位置し、周辺の国々から学びや恵みを受けながら発展してきたのが、日本という国であると。

しかし私は、この国で生まれ育った者として、わずかながらも自信と希望を持っています。
そこの根拠は、歴史上の様々な人物たちから得ました。

たとえば約1450年前の厩戸皇子(聖徳太子)は、遣隋使を通じて積極的に大陸の先進文化や政治・仏教教理を取り入れました。
それによって「冠位十二階」や「十七条の憲法」など、中央集権国家としての制度整備が進み、日本という国を形作った人物です。

また約150年前には、岩倉具視氏が「五箇条のご誓文」を掲げ、欧米列強との関係を見据えて岩倉使節団として世界を巡り、『米欧回覧実記』を残しています。

時代は違いますが、どちらにも共通しているのは、外に目を向け、多様な考えから学ぼうとする姿勢ではないかと思います。

そうした歴史に触れるたびに、日本という国の一つのプリンシプルは「異なる人々と分け隔てなく関わり、その中で学び合っていく姿勢」ではないか——私はそう感じています。

Author/樫井 賢一