「葉隠」をパラパラとめくって

2025.11.04

「武士道とは死ぬことと見つけたり」
今から約300年前、江戸時代中期に佐賀鍋島藩の武士道精神を説いた書物「葉隠聞書」に書かれた一文であり、「葉隠」と聞いた多くの人が思い浮かべる言葉だと思います。
武士が常に自分に厳しくあろうとする姿勢を説く言葉です。

けれど「葉隠」には、私にとっては他に気に入った言葉があるのです。

「朝は七ツ時(午前四時ごろ)に起きる」
早起きの私にとって、なんだか毎朝背中を押してもらえるような言葉です。

さらにもうひとつ、印象的だったのがこの言葉。
「大事には心安らかに対処し、小事には真剣に対処すべし」

私たちは大きな出来事が起こると、つい慌てて心を乱してしまいがちです。
この言葉は、そんなときこそ落ち着いて、穏やかな心で向き合うことが大切だと教えてくれます。
反対に小さなことほど軽く扱ってしまうものだけれど、「葉隠」はそうした些細なことにこそ真剣に取り組むよう説いてくれているのです。

これらの言葉はどれも、身に染みて心に響いています。

Author/樫井 賢一