【不動産コンサル事例 vol.07-3】夢の民泊を開業!食事の提供はOK?NG?

2024.03.20

お客様より実際にサンジミアーノにいただいた相談事を、どのように解決するのか?様々な事例をご紹介します。

今回のご相談内容はこちら。

前回のおさらい。

お客様

前回の話し合いで、僕は自宅にゲストを招く「居住型」民泊を選択することにしました。
元板前としての腕を振るってゲストに美味しい料理を提供したいからね。ということは、飲食店としての営業許可も貰わないといけないと思うんだけど…。

今回は「住宅宿泊事業法」における「食事提供」の考え方について解説します。
前回解説しました、民泊における「居住型」「不在型」の特徴も併せてご覧ください。

【不動産コンサル事例 vol.07-2】居住型と不在型、どちらを選ぶ?

家主が居ても、居なくても、あなたの生活スタイルに合った民泊の選択。

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食事の提供はOK?NG?

住宅宿泊事業では、ゲストに対して料理を振舞うことはもちろん可能です。
食を通してゲストとの交流を深めるのも、民泊運営の醍醐味ともいえるでしょう。
しかしながら、金銭を受け取って料理を提供する以上、営業の許可が必要になります。

サンジミアーノ

食事を提供する営業をするために必要な許可は「飲食店営業許可」です。
また「飲食店営業許可」を得るためには、「食品衛生責任者」の資格を得る必要があります。

お客様

僕は「食品衛生責任者」の資格は既に取得しているけど、料理を提供するためには民泊に対して「飲食店営業許可」を得る必要があるってことだよね。

おっしゃる通りです。
ですが、実はゲストと一緒に料理をすることで、営業許可を得なくても食事を提供することができるんです。

サンジミアーノ

お客様

ゲストと一緒に料理をする…。
その発想はなかったな!

ここで、料理や飲食物の提供について、法律ではどのようになっているのかを確認しましょう。

提供方法 法律上は…
一緒に料理を作って食べる場合 許可はなくてよい
一方的に料理を提供する場合 「飲食店営業許可」が必要

ゲストと一緒に料理を作って食べる場合は、「飲食店営業許可」はいらない


ホストがキッチンと調理器具を貸出しゲストが自主調理する場合や、ホストとゲストが共同調理を行う場合は、「飲食店営業許可」の許可は必要ありません
自主調理・共同調理の取扱いは都道府県・保健所ごとに違う可能性がありますので、予め役所にご確認ください。

地元の郷土料理などをホストと一緒に作る体験は、旅行客、特に海外からのゲストとって大変人気のあるイベントです。

ホストがゲストに一方的に料理を提供する場合は、「飲食店営業許可」が必要


料理を調理したり食品を加熱または盛付したりしてゲストに飲食させる場合や、酒類を提供する場合は、原則として「飲食店営業許可」が必要です。
「飲食店営業許可」は、書類と設備の要件を満たして、保健所に申請して取得します。
また「食品衛生責任者」の有資格者が最低1人必要です。

「飲食店営業許可」を取得するためには、お金と時間を伴う様々な準備が必要です。
また、この許可を取得すると、調理場と別にお客様用のキッチンを設けなければいけません。
しかし、こだわりの料理を振舞うことで、ゲストの満足度を高めるだけではなく、レストランとしての収益も得ることができ、民泊全体の収入増加につなげることができるでしょう

家主居住型民泊の規制緩和

家主居住型民泊では、令和3年8月27日に厚労省通知で施設基準が改正されました。
これにより「飲食店営業許可」を取得すれば、家庭用台所で食品を調理し宿泊者に対して提供することができるようになっています。
また、下記のような条件があり、都道府県や自治体によってさらにルールが異なる場合もあります。

  1. 食品は適切な衛生管理の下でホストが調理し、宿泊客に対してのみ提供する。
  2. 営業場所としての民泊施設が「家主居住型」であることを自治体により確認、照会する。
  3. 食品の安全性の確保の観点から、一般衛生管理やHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を行うこと。

お客様

開業予算や準備期間、ホストの生活スタイルや料理のスキル、ゲストとの交流を楽しみたいか、ゲストのプライベートを優先するか…食事ひとつとっても、ホストが理想の民泊を作るために、様々な選択肢が用意されているんだね。

今回は簡易に紹介させていただきましたが、法律や届出のことはもちろん、リノベーションの相談やマーケティング戦略、開業支援サービスの受け方、運営補助など、民泊に関する幅広いご相談を承っています。一緒に理想の民泊を作っていきましょう!

サンジミアーノ

お客様

美味しい料理と心地よい部屋でお客さんに寛いでもらえるように、がんばるぞ!

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